カミサマ気取りと神の使者
「あ?人探し?」
「ええ、そうよ。探して欲しい人が居るの」
クリミナは、そこら辺に居た野良の黒猫を撫でながら、話を続ける。
「アルカナ・クロワは人探しも受け付けてる、ポスターを貼っていたでしょう?」
と小さく「ああ」と言うアルベドを横目に、クリミナはそっと言った。
「なら、頼みたいわ。どうかしら」
「……おう。こっち来い」
アルベドの対応は冷静だった。それは当たり前だった。
アルカナ・クロワ会長としての「アルベド・アーダー」と、一人の人間である「アルベド・アーダー」は違う。彼はそれを、よく理解しているのだ。
[水平線]
__今、クリミナとアルベドは、別の街に来ていた。
大都市「ポーヴェ」は、老若男女全ての人が住まう街。商店に住宅、全ての物は、このポーヴェに揃っていると言っても良いほどの大都会だ。
そんな大都市ポーヴェの一角にある、静かな純喫茶。そこに二人は居た。
「じゃあ、話を聞こう。探してほしいヤツは誰だ?」
「……フローラ。フローラ・ドゥ・ドロップを探してほしいの」
コーヒーをすすりながら、クリミナは小さく言う。
クリミナの口から出た名前に、アルベドは驚愕した。
「なに、フローラだと?……お前、自分が誰探してほしいって言ってるのか分かってんのか…?」
「ええ、分かっているわよ。…彼女と私は、ほぼ同じ立場でしょう。普通に探してほしいだけよ」
「お前なぁ……!」
クリミナが言った、フローラ・ドゥ・ドロップという人間。
彼女の名前が出てくるとは、アルベドも思っていなかった。
[水平線]
__フローラ・ドゥ・ドロップ。
彼女は、史上最年少で使者に選ばれた人間だ。
使者になった時の年齢は、わずか11歳。一人の小さな少女だった。
そんな彼女が使者になった理由は、誰もが分かっていた。
彼女は、とんでもない"異能"を持っていると、元々世間を騒がせていたからだ。その異能が、神々の目にも留まったのだろう。
だが、そんな彼女の姿は__彼女が17になった時に、全て消えた。
突如、フローラは姿を消したのだ。
行方不明となった使者に、民は困惑を覚えた。どこにいるのか、何をしているのか、勝手な憶測を立て、彼女を探し出すために、民間組織も発足された。
そんな「伝説」である彼女を探してほしいと、クリミナはアルベドにお願いしているのだ。
「…ダメかしら」
「いや、ダメって言うほどでもねぇけど…。ほとんど無理に近いだろ?」
「もちろん、私も最大限協力するわ。それに、情報もあるの」
アルベドは、少しの時間黙りこくった後、テーブルを軽く叩いた。そして、クリミナに、自信満々の表情で言う。
「分かった。できたら、ここのオムレツ奢りな?」
「ええ、そうよ。探して欲しい人が居るの」
クリミナは、そこら辺に居た野良の黒猫を撫でながら、話を続ける。
「アルカナ・クロワは人探しも受け付けてる、ポスターを貼っていたでしょう?」
と小さく「ああ」と言うアルベドを横目に、クリミナはそっと言った。
「なら、頼みたいわ。どうかしら」
「……おう。こっち来い」
アルベドの対応は冷静だった。それは当たり前だった。
アルカナ・クロワ会長としての「アルベド・アーダー」と、一人の人間である「アルベド・アーダー」は違う。彼はそれを、よく理解しているのだ。
[水平線]
__今、クリミナとアルベドは、別の街に来ていた。
大都市「ポーヴェ」は、老若男女全ての人が住まう街。商店に住宅、全ての物は、このポーヴェに揃っていると言っても良いほどの大都会だ。
そんな大都市ポーヴェの一角にある、静かな純喫茶。そこに二人は居た。
「じゃあ、話を聞こう。探してほしいヤツは誰だ?」
「……フローラ。フローラ・ドゥ・ドロップを探してほしいの」
コーヒーをすすりながら、クリミナは小さく言う。
クリミナの口から出た名前に、アルベドは驚愕した。
「なに、フローラだと?……お前、自分が誰探してほしいって言ってるのか分かってんのか…?」
「ええ、分かっているわよ。…彼女と私は、ほぼ同じ立場でしょう。普通に探してほしいだけよ」
「お前なぁ……!」
クリミナが言った、フローラ・ドゥ・ドロップという人間。
彼女の名前が出てくるとは、アルベドも思っていなかった。
[水平線]
__フローラ・ドゥ・ドロップ。
彼女は、史上最年少で使者に選ばれた人間だ。
使者になった時の年齢は、わずか11歳。一人の小さな少女だった。
そんな彼女が使者になった理由は、誰もが分かっていた。
彼女は、とんでもない"異能"を持っていると、元々世間を騒がせていたからだ。その異能が、神々の目にも留まったのだろう。
だが、そんな彼女の姿は__彼女が17になった時に、全て消えた。
突如、フローラは姿を消したのだ。
行方不明となった使者に、民は困惑を覚えた。どこにいるのか、何をしているのか、勝手な憶測を立て、彼女を探し出すために、民間組織も発足された。
そんな「伝説」である彼女を探してほしいと、クリミナはアルベドにお願いしているのだ。
「…ダメかしら」
「いや、ダメって言うほどでもねぇけど…。ほとんど無理に近いだろ?」
「もちろん、私も最大限協力するわ。それに、情報もあるの」
アルベドは、少しの時間黙りこくった後、テーブルを軽く叩いた。そして、クリミナに、自信満々の表情で言う。
「分かった。できたら、ここのオムレツ奢りな?」
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