「あぁ、神聖なるクリミナ様よ…。我らを、これから守りたもう…！」
教会にて、老人はそう言い、涙を流す。
崇められている少女は、誰にほほえみもせずに、教会の[漢字]講壇[/漢字][ふりがな]こうだん[/ふりがな]へと、ヒールを鳴らして歩く。
「＿＿これにて、[漢字]使神式[/漢字][ふりがな]しかんしき[/ふりがな]を終了とする。最後に皆のものよ、神聖なる使者、クリミナ様へ拍手を！」
花が舞い、民からの拍手が鳴り響く教会。
今ここでは、クリミナの[漢字]使神式[/漢字][ふりがな]しかんしき[/ふりがな]が執り行われている。

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＿＿一から説明する事とする。
その昔、この世界の神たちは、ある時から狂い始めた地球の惨状に心を痛めていた。
神は地上に降りることができない、そして世界を壊す残酷さなんて持っていなかったため、人間を止める手段が限られていた。
「どうすればよりよい世界を作れるか」という事で迷っていた神たちに向かい、ある知識の神がこう言った。
「人間に、我々の思いを伝えてもらうのはどうか」
この意見に神たちは賛成し、そこからいわゆる「神の使者」が生まれたのだ。
神の使者は、それぞれ一人の神がつく。神の声を聞くことができ、それを人間に伝えるのが使命だ。
そして一番の特徴は、いつ誰が使者に選ばれるかが、全く分からないことだ。
神もランダムに選んでいるわけではないのだが、それを知らない人間たちからすれば、どこが基準なのか分からないのだ。
使者は年齢や性別、人種などもまちまち。基本「神の声を伝えるにふさわしい」と神から判断されれば、誰でもなれるという事だ。
だがそれが難しく、まちまちといっても、基本使者は年の行っている事が多い。


＿＿だが、彼女は違った。
クリミナ。わずか14歳で、神の使者に選ばれた少女の名だ。
最年少というわけではないのだが、彼女の年齢は、まさに異例であった。こんな幼い少女がなれるものなのか、と世間は驚き、そして彼女をこれでもかとたたえた。「クリミナ様」と言った。

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＿＿だがしかし、それを嫌がる者もいるのだ。
「なんだこいつ…14歳？あぁ？俺の方がもっとつえぇ！」
彼の名はアルベド。16歳。クリミナの記事を見て、アルベドは新聞を思いっきり破った者。
「俺のほうが、こいつより強い！最強だし！！チクショー、なんでこいつが使者なんだよ…！！」
瞳が爆発するかと思うほどの炎を燃やし、アルベドは燃えた。これでもかと思うほど燃えた＿＿。