俺、黒鉄火花を一言で表すなら、平凡だ。もっとも、俺は
中の下ぐらいの力しか持っていない。勉強は苦手。社会の点数
だけそんなに悪くない程度だ。数学と技術は壊滅的。
特技はヌプラトゥーンだけ。しかも、パワーは2000とそんなに高くもない。
中学で職業調べの宿題が出る度、将来に頭を抱えているようなやつだ。

そんなある日、掃除を適当にやって班の女子から怒られ、悪態をつきながら、家に帰り、ゲーム機を起動したとたん、視界が白に染まる。


「は？ここはどこだ？」目を開けると見覚えの無い場所。
建物の作りは、古代ローマやギリシャといったところだろうか。　「ラノベって偉大だな。大抵の知識が手に入るぜ」
異世界に飛ばされたことを知っていながらにしてこの余裕。
自信過剰かただのバカ。
「つーか、この飛ばされ方まさかリゼロ！？やべえ、死に戻り
したくない！」事の重大さをここに来て理解する。

まずは持ち物の確認か。　何でリュック背負ってんだ？
装備品が揃っていることに違和感を覚える。
「んじゃ、中身の確認か…えーと、ん？なぜゲーム機がここに！？、スマホまで入ってるだと！ラッキー！」

「持ち物は分かったし、うろつくかな」
　もしもリゼロなら銀髪の美少女がいるはずだ。そう思っていたところ。

ピンク色の髪のメイドっぽい服の人を見つけた。
「もしやラム！？確かリゼロではエミリアがラムから離れていったはずだ！」
意を決して話しかける。
「すいませーん、誰か探してますか？」
声をかけると、メイドは振り返りこう告げる。
「よく分かったわね、誰かさん？」