変人たちの学校生活
「おおー、ここが、これから通う学校…。」
校門前で立ち尽くす人影が一つ。
入学式が始まる、およそ3時間前。
「早くきすぎたな。本でも読もう。」
その女子は、お飾りにしか見えないバックから、一冊の本を取り出す。
その本は、ホラー系である。
近くのベンチに座り、本を読み出す。
彼女の名は、鈴瑜 怜。
生粋の本好きである。
読み出すと止まらないため、あっという間に1時間がすぎた。
ちらほらと人が来るようになった時間だ。
彼女はようやく本を閉じ、歩き出す。
目的地は校舎内のホール。入学式の会場である。
「私の新たな居場所…。図書室、どれぐらい広いかなぁ。」
本のことしか考えていない。
ホール内には、椅子が150ないぐらいに詰め込まれていた。
前に来ていた人たちは、まばらに座っていたため、彼女は、後ろの方の席を選ぶ。
2時間後には、入学式が、始まる。
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私は、星風 乃月。
入学式に遅れないよう、2時間前にはきた。
きっと1番だと思っていたのに、校門を通ると、すぐそこのベンチに、人がいた。
しかも、本を読んでいる。
入学式なのにこんなまったりと本を読むなんて、あり得ない。
そう思った。
その人はこちらには気づいていないようだった。
話しかけられたくない乃月は、早足でホールに向かった。
ホールに着くと、きっちり1番前の列の中央に座った。
入学式は、きっちりと受けなくてはならない。
そんな考えを胸に、良い姿勢で入学式が始まるのを待つ。
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私は夢雨。
絶賛、全力ダッシュ中である。
早起きしたは良いが、身支度に恐ろしく時間がかかってしまい、家を出たのは入学式が始まる20分前だった。
徒歩だと約20分かかるため、走っている。
「やばいやばい、入学式から遅刻はまずい。」
ようやくついた。
校門の近くに、もう人はいない。
みんな、早くきてるんだ。
流石に校舎内をダッシュはダメなので、早足で歩く。
ホールは、もうパンパンであり、空いている席を探して座った。
荒い息を整えながら、先生が続々と来るのをみる。
私はもう、中学生になったんだ。きちんとしなきゃ。
そう考えても、難しいだろうな。と思ってしまうのは、なぜだろう。
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今、入学式が始まる。