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私は今日も生きていく。

#1

守りたいものがあるから__。

[大文字]あの4人が、亡くなった__?[/大文字]
任務にあたっていたはずの蓮から緊急の連絡を聞いた時、
心臓が止まったかと思った__。


[水平線]


私が警察学校に入ったのは、今から丁度3年前のこと。
幼い頃にある事件で両親を亡くした私は、もう2度とこんな思いをする人がいなくなるよう心に誓い、
幼馴染の蓮(レン)と光希(ミツキ)と共に警察を目指して警察学校に入校した。
そこで出会ったのが、葉木くん(おハギ)と甚(ジン)、そして宮田班長(ハンチョウ)だった。



いつも笑顔で太陽みたいな存在、おハギ。
普段はクールだけど実は器用な、ジン。
自分よりも他人のことを考える、ハンチョウ。
穏やかで優しく、正義感のある、ミツキ。
いつも冷静な判断で頼りになる、レイ。
そして引っ込み思案で臆病な私、アイミ。


そのころはまだ珍しかった、教場のなかで唯一の女子だった私。
でも、私が今、立派に国を守る任務に就けているのは、間違いなく5人のお陰だ。



[斜体]なのに…どうしてっ……![/斜体]



あの器用さで爆発物処理班のエースとなった葉木くんと甚は、
大型爆弾による犠牲者を1人でも減らすためにと、殉職。

あのリーダーシップで警視庁捜査一課に就いた宮田班長は、
ある事件の犯人の自殺を止めようとして車に撥ねられ、事故死。

私と共に公安警察に配属され、任務にあたっていた光希は、
ある潜入先で情報漏洩を防ぐために正体がバレて、死亡。


[水平線]


4人の墓参りにやってきた蓮と私は、無言でお墓に手を合わせた。
蓮も公安で、光希と同じ潜入先で任務をしていた。
辛いのはきっと同じだ。でも…


[斜体]うっ……うぅ…[/斜体]


気づけば、涙が溢れていた。
6人で過ごした警察学校時代。
卒業後も連絡を取り合って、近況報告をした時。
あの4人のことを思い出すと…


泣き崩れる隣では、蓮がまた無言で私の頭を撫でていた。


[斜体]泣いていたって、4人は悲しむだけだよ。
4人から教わったこと…愛美と俺で、守っていこう__。[/斜体]


そう言いたいのが、痛いほど、伝わった。


わかってる、わかってるよ…
4人は“誰かを守るため”に亡くなった。
なら、私も…



蓮と共に、また新しい任務に励む。
大丈夫、もう泣かない。


[大文字]この国の国民を、守るために、
今日も生きていく___。[/大文字]

-end-

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作者メッセージ

初めての投稿です。
楽しんでいただけたら嬉しいです!

2023/09/30 11:06

cardinal ID:≫93Mvld0Raw8pg
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