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▷ この旋律は『全部上書きして』の続編となっております。先にそちらを読破してからこちらを閲覧することを推奨します。

『全部上書きして』
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嘘つきたちの輪舞曲【Lier's world】

#50

橘 礼夏






私は昔、裕福な生活が送れなかった。






.........貧しかったって方の意味じゃない。








遠目で見ればむしろ、その辺よりかは裕福だったはずだったから。






私は比較的有名企業の家庭で一人娘として生まれた子だったんだから。









私は、あの橘カンパニーの、跡取り娘みたいになるはずだった『モノ』だった。








はちみつレモン。






[太字]本名、[漢字]橘[/漢字][ふりがな]たちばな[/ふりがな] [漢字]礼夏[/漢字][ふりがな]れいか[/ふりがな]。[/太字]









私の人生、そもそもこの二人の間に生まれたことから全部、間違ってたんだ。












[太字]______私は望まれてなかった。[/太字]








[水平線]









[太字]二人は子どもの事を『モノ』『道具』だとしか見ていなかった。








そんなクズみたいな[漢字]二人[/漢字][ふりがな]両親[/ふりがな]が子どもに大事なお金をかけると思う?[/太字]









.........まぁ99%思わないって皆が口を揃えて言うんだろうね。







そうだよ。その通り。







貧しかったんじゃない。






[太字]お金っていう一種の愛情すらも捧げてくれやしなかったってだけ。[/太字]









だからね、私、途中までお金かけて育ててあげられてるだけでも羨ましいなって思うの。






だってその分、お金って名前の愛情が発生するでしょ?









[太字]私にはなかったんだもん。[/太字]







[太字]二人が私に与えてくれたのは、歪みきった愛だけ。[/太字]






痛みって名前の、確実に愛ではないものだった。









[太字]食事は3日に1回で普通だった。






監禁に近い事されるのも少なくはなかった。[/太字]







地べたにコールスローサラダぶちまけられて地面這いずって食べたのはいい思い出だったし。









それに無言で[漢字]男[/漢字][ふりがな]父[/ふりがな]は仕事帰りで家に上がった途端、腰に巻いているベルトを外して鞭にして[太字]私を叩くし。[/太字]







[太字]何回も、何回も。[/太字]









悲鳴や泣き声を上げれば







[太字]「喋るな」






「癪に障るんだよ、黙れ」[/太字]







なんて言われて、そのままベルトで首を絞められたっけ。








........そういう傷跡ってさ、デジタルタトゥーみたく治らないもので。










[太字]未だにベルトで叩かれた痕が背中に大量に残っているから、多分これは一生治らないやつ。[/太字]










んでこれがね、面白いことに、私は実は不倫の末に生まれた忌み子でしたーとか、そういう感じのじゃないの。






正真正銘、[漢字]橘[/漢字][ふりがな]たちばな[/ふりがな] [漢字]和秀[/漢字][ふりがな]かずひで[/ふりがな]と[漢字]橘[/漢字][ふりがな]たちばな[/ふりがな] [漢字]彩子[/漢字][ふりがな]たちばな[/ふりがな]の間に生まれた一人娘だったんだよね。








いらないなら捨てればいいって思うよね。






私もそう思うよ。








[太字]でもね、二人は捨てなかった。






毎日元気に、私に虐待してきたよ。[/太字]









[太字]権力を盾にしてね。[/太字]









私は望まれてなかった。私の生きる意味は二人のサンドバッグになる事以外存在しなかった。






二人が私のことを望んでなんていなかった。








[太字]二人が子どもなんて『モノ』自体、望んでいなかった。[/太字]











[太字]..........望んでないくらいなら、[漢字]そんな事[/漢字][ふりがな]破廉恥[/ふりがな]なんかしなくても良かったってのにね。[/太字]










不思議だよね。






捨てればいいのに、わざわざ産んで専属サンドバッグにするだなんて。









そんな私はずっとそんな環境に触れてばっかだったから、歪んじゃったんだよ。






殺人鬼の『はちみつレモン』を生んだのは、お前ら二人なんだよね。









[水平線]









今の私を見てもらえれば分かるんだけど、一応あの日からは普通に解放されてる。






二人が権力を盾にして私に暴力振るってたのがバレたからお縄についたって事。








でも私は最初、それがどうしてなのか分かんなかったんだ。








物心がついた時からそんな暴力沙汰三昧だったら、嫌でも身体に染み付く。






[太字]それを『普通』だと思いこんじゃってた私が完成されちゃってるってこと。[/太字]









『それ』が異常だって知ったのは、社会に出てからが初めてで。








[太字]..........すごい驚いた。






それと同時、自分が『異常』って事に、すごく吐き気がした。[/太字]








その点[漢字]あの子[/漢字][ふりがな]朱肉ちゃん[/ふりがな]とは似ている気がして、少しだけ同情する。











そこから『普通』に固執するようになったのまではあの子と一緒。







幸せに縋って執着して。






今思えば私には嫉妬心もあったかもしれないね。








でもそういう事ってしてる内に、自然と真理には気づいちゃうもんで。






ある日に気づいちゃったんだ。









[太字]生い立ちの時点で『普通に、幸せに』生きる事なんてできないって。[/太字]








[太字]暴力振るわれてそれが『普通』だって、『愛情』だって。[/太字]






[太字]そんな錯覚してる人間、まともになれるわけないよね。[/太字]









[太字]だからね、私いっそ全部吹っ切れて『異常』になっちゃえって思ったの。[/太字]






暴力的な考えに辿り着いたのが、悪い意味で二人に似たかもって思うと反吐が出るけど。








あの子と違うのはここからだったかな。









だからね、私は。






[太字]幸せに生きる事が許されなかった私は、殺人鬼の『はちみつレモン』なの。









偽りの自分そのものこそが、『はちみつレモン』なの。[/太字]

2025/07/23 22:00

炙られまぐろ ID:≫ .1qWrS8rlgVRw
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