嘘つきたちの輪舞曲【Lier's world】
冷やし中華って相変わらず美味しいですよね。
ちなみにうちは兄弟揃ってごまだれ派です。
あ、言っときますけどもちろん中華タレも好きですよ?
ということで今二人で水族館に行ってます。道中です。(突然)
我ながら充実しすぎてる夏だなと思ってます。
捨て飯「そう言えば今まであまり聞いてなかったんですけど、柊翔のやってる『生物学』ってどんなものなんですか?」
捨て飯「生物と言っても、昆虫と水生生物だとだいぶ違うでしょう?」
柊翔「んーとね、ほぼ言えるのは兄さんの想像してるものとだいぶ違うと思う。」
柊翔「生物学って生物の生命現象を研究対象にしてるんだよ。」
柊翔「細胞とか、その生物の進化の過程とかさ。」
捨て飯「あぁなるほど、そういう感じなんだ.........」
捨て飯「いや、その。今から水族館に行くけどちょっと気になってしまって。」
柊翔「まぁ僕らのやってることってだいぶ極端だからね。理解されないのは分かるよ。」
捨て飯「............柊翔さん、少し話題を変えて変なこと話すんですけど、いいですか?」
柊翔「、なに?」
捨て飯「[太字]柊翔さんは私のこと、好きですか?[/太字]」
捨て飯「いやあの、恋愛感情とかそういう感じの話じゃないです。」
柊翔「...........兄さんのことは好きだよ」
捨て飯「.........!」
柊翔「[太字]_____でも嫌いなんだ[/太字]」
捨て飯「[太字]え.......?[/太字]」
柊翔「兄さん。僕ね、僕が思ってたよりずっと、[太字]欲深いみたい。[/太字]」
柊翔の手が
[太字]こっちに伸びてくる[/太字]
[水平線]
レモン「..........。」
私はちみつレモン、現在風呂上がりなう。
レモン「..........」
洗面所の鏡から自分の背中が映る。
[小文字]レモン「...........相変わらず消えないね、[太字]この傷[/太字]」[/小文字]
[太字]『痛々しい』でまとめきれないくらいの次元で、私の背中には痕がついてる。
十何年という長い時間をかけて作られた一つの作品。[/太字]
レモン「..........。」
[太字]...........さっさと消えてほしいんだけどな。[/太字]
あぁもう最悪。アイス食べよ。
そうやってアイスを口に含んで、パソコンばかり触れたせいでしばらく充電が切れていたスマホの電源を久しくつけてみる。
レモン「..........」
めちゃくちゃ未読通知が溜まってる。
[太字]何だよ通知600って。[/太字]
何があったんだよ。と一瞬だけ思ったが.........
レモン「[太字]............『アイツ』か[/太字]」
レモン「懲りないなぁ、ホント。」
[太字]『 気持ち悪い 』
『 自業自得 』
『 クズ 』
『 意味わかんない 』
『 最低 』
『 カス 』
『 死ね 』
『 何処まで逃げてんだよクソが 』
『 全部お前のせいだ 』
『 気持ち悪いクズが 』
『 殺す 』
『 死ね 』
『 死ね 』
『 死ね 』[/太字]
レモン「ッ...........。」
残りの500件も全部、[太字]『アイツ』からのメッセだった。[/太字]
涙が出そうになったが、こんなんで目を腫らしてられない。
夫人気取りしといて裏はこんな幼稚な暴言しか吐けない馬鹿だなんてね。
レモン「ご丁寧に証拠どうも.........」
削除しますか?
[小文字]はい ‖ いいえ[/小文字]
ポチ
レモン「ありがとうございますっと」
あんだけ写真で容量食わせたら用済みになったので、速攻画面からオサラバしてやった。
もうトーク画面に[太字]『 [漢字]橘[/漢字][ふりがな]たちばな[/ふりがな] [漢字]彩子[/漢字][ふりがな]さいこ[/ふりがな] 』の名前はない。[/太字]
あえてフルネームで書いてるのは、私がそう呼ぶってだけ。
[太字]確かに『 母親 』とも言うけど、そんな言葉でアイツの事を括りたくないんだもん。[/太字]
〝 続いてのニュースです。 〟
〝 [太字]橘カンパニー『[漢字]橘[/漢字][ふりがな]たちばな[/ふりがな] [漢字]和秀[/漢字][ふりがな]かずひで[/ふりがな]』現社長と『[漢字]彩子[/漢字][ふりがな]さいこ[/ふりがな]』夫人が来月______[/太字] 〟
〝 ______佐藤さんこれどう思いますか、これ? 〟
〝 いやぁそうですねぇ、かなり大規模ですから、______。 〟
レモン「.............やるなら、今頃が一番だよね。」
レモン「[太字]私の復讐。[/太字]」
私はあの二人を永遠に許さない。
あの二人だけは、変わらないといけない。
昔と全く変わっていない、二人の曲がりきった人格を。
レモン「[太字]______私が矯正しなきゃいけないんだから。[/太字]」
握ったスマホの先でフォルダに保存されてた写真たちの出番。
その全部にチェックマークを入れて、
[太字]私は、全部を青い鳥に流した。[/太字]
[太字]______この復讐は今ここで終わらせなきゃいけない。
今までに私がつけられた傷のすべてを晒し上げてでも。[/太字]