嘘つきたちの輪舞曲【Lier's world】
夏。
セミが鳴いている。
捨て飯「..........暑い.......。」
家にいるのに、冷房効かせてるのに、全然普通に暑い。
夏です。めっちゃ夏です。今も昔も変わらず一番嫌いな季節です。
捨て飯「............外出たくない.......(((」
毎年夏になった時に私が一番嫌いになるのは、髪の首元に貼り付くあの感覚。
と言っても私はインドア思考なのであれなんですが、まぁうざったらしいったらありゃしない。
だから夏になった時だけは、髪を思い切りよく切って短くする。
定期的に揃えて肩辺りまで伸ばした髪をショートカットにまで切っている。
捨て飯「ガリガリ君食べようかなぁ........」
ちなみにグレープフルーツ味。
夏って柑橘系のアイス並ぶので、そこはとっても嬉しいんですけどね。
捨て飯「アァ.......オイシイ.......((」
というかこんなにも暑いのに、柊翔が自室から出ないのがすごく気になってしまう。
見ることが大好きだと言っていたドラマも、ほとんど見なくなってしまっている。
..........熱中症になってしまわないか心配だ。
というか、もう手遅れになってる事もある?
捨て飯「柊翔〜? 自室にこもって暑くないんですか〜?」
........。
捨て飯「..........柊翔?」
コンコンコン
...............。
捨て飯「.........開けますよ?」
扉を開けると、そこには。
[太字]そこには、『何か』がいた。[/太字]
私にとっては、全く知らない人。
顔も知らない、見たことすらない。
[太字]そんな人、人なのかも分からない『それ』は、そこに立っていた。[/太字]
[小文字]捨て飯「えっ」[/小文字]
思わず声を漏らす。
[太字]しかし瞬きをすると、すぐにそれは馴染み深い柊翔の姿にすり替わっている。[/太字]
[太字]私は、幻覚でも見たのだろうか。[/太字]
柊翔「あれ、兄さん........。どうしたの?」
捨て飯「え、あぁ........最近ずっと自室にいてばかりでしょう? そんな事してると熱中症になると思って心配で。様子を見に来たんです。」
柊翔「なーんだ、そんな事かぁ。でも大丈夫だよ兄さん、心配しないで!」
柊翔「ちゃんと水分取ってるから!」
捨て飯「それならまぁ........安心ですかね」
いや明確には安心じゃないんですけど。
捨て飯「.........お昼ご飯、いります?」
柊翔「あ、食べる!」
捨て飯「そう言うと思った。じゃあ今日は冷やし中華にしよう。」
柊翔「やったー!僕も手伝う!」
捨て飯「いいですよ、一緒に[漢字]錦糸卵[/漢字][ふりがな]きんしたまご[/ふりがな]作りましょっか!」
柊翔「うん!」
.............さっきまでの事はすべて見なかったことにして、忘れよう。
[太字][中央寄せ]第4小節『 声も身体も 』 演奏開始[/中央寄せ][/太字]