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▷ この旋律は『全部上書きして』の続編となっております。先にそちらを読破してからこちらを閲覧することを推奨します。

『全部上書きして』
https://novelcake.net/works/lite/?mode=view&log=1597

▷ シリアス展開・鬱展開   ▷ 多少のグロテスク表現
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▷ 低クオリティ   ▷ とんでもなく不定期投稿

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嘘つきたちの輪舞曲【Lier's world】

#45

冷え切った風で涙を消して






夕凪「........っ」







[太字]俺は、朝露の腕を強く掴み直した。[/太字]








朝露「.........夕凪。[太字]その手、離して?[/太字]」








夕凪「[太字].........嫌だね。絶対離さない。[/太字]」








今までシャットアウトされていた波の音が一斉に動き出す。






朝露は月を背中に俺が嫌いな笑顔を浮かべる。






[太字]その取り繕ったみたいな、嘘くさいみたいな、そんな笑顔が気に入らない。[/太字]






[太字]月の光に当たって逆光となったその後ろ姿は、何も言えないくらい胸糞の悪い美しさだった。[/太字]








この黒い海に、真っ暗な世界に、溶け込んでは跡形もなく、本当に消えていってしまいそうな笑顔で。






そのゆらゆらと、海面のように安定せずに濁り続ける瞳が、





ふわふわ浮いてどこかへ飛んでいってしまいそうな心が、[太字]俺を不安にさせてくる。[/太字]






[太字]それでも、この手を離そうと血迷ったことは思わなかった。[/太字]







夕凪「この手を離すつもりは正直ないよ」





夕凪「.........でもね、」







腕を掴んでから何秒くらい経過したか。





腕の次に、海風に煽られ冷たくなった彼の手を取って、絶対離さないって言葉を本物にするみたいに[太字]恋人繋ぎをして言ってやった。[/太字]








夕凪「[太字]一緒にいれるってお前が言うんだったら、[/太字]」






朝露「........え?」









夕凪「[太字]死んだ後も一緒にいれるってお前が言うんだったら、ここで心中してやってもいいけど?[/太字]」







我ながら頭のおかしい提案。





朝露は少し驚いたような顔をしてすぐに「 保証はできないなぁ 」と小さく笑って呟いた。






[太字]もちろん、俺の嫌いな笑顔で。[/太字]








夕凪「じゃあ無理だね、........絶対離さない」





夕凪「[太字]..........自分が心から幸せだって思えるまで、絶対死ぬんじゃねーぞ[/太字]」






朝露「.........!」







[太字]『 生きろ 』なんて、『 死ぬな 』なんて、本当はそんなに言いたくない。





『 先生 』という立場にいる以上、本当は仕方なく引き戻しているってだけ。






別にいつか二人で地獄を見てみたって構わないと思ってる。[/太字]










.........だって、死にたいやつに生きろって言うことって、










本気で生きたいやつに死ねって言ってるようなもの。







[太字]そうやって見たら残酷だと思わない?[/太字]







朝露「.........。」






夕凪「........すぐそばでお前の事大切にしてるのに消えようっていうのは、流石に許せねーんだわ。」






朝露「.........ごめん」















朝露「[太字]あの、めっちゃ寒い。無理凍え死ぬ[/太字]」






夕凪「は?」






朝露「冷えてて足の感覚ほとんどない」






夕凪「え、いや、はぁ!? ちょっ早く出るぞ!?」






朝露「無理.........夕凪引っ張って」






夕凪「あー.........おら行くぞ!」






朝露「うひゃぁ夜の海って寒い〜〜」






夕凪「分かりきってたことだろーがよ!何今さらそんな事........!」







ズリズリを砂を引きずる音と感覚で朝露を引き上げていく。







朝露「最初心地よかったんだよ、でも徐々にさぁ......」






夕凪「体温調節くらい自分でできんだろ!」






朝露「怒んないでよ夕凪さぁ〜」






夕凪「前も軽く熱中症なってただろ!お前いっつもそうなんだからよ!」






朝露「俺がそういうのできなくてもお前が気づいてくれるからさぁ.....」






夕凪「人任せかよ......」






朝露「いや、だってやってそうじゃん?」






夕凪「はぁ、お前なぁ......」










朝露「[太字]...........だからさぁ夕凪。ずっと隣にいてよね[/太字]」






夕凪「、!」






朝露「[太字]お前がいないと俺壊れちゃうから。ちゃんと俺の面倒見てよね[/太字]」






夕凪「.........当たり前だろ、任しとけって」







俺より頭一つくらいに背丈の高い彼を担いで。






それでずぶ濡れの足元のまま車に乗り込んで、日が昇る頃に家に戻った。








他人は自分を映す鏡だと言う。





[太字]俺はきっとあの時、自分に向かって言葉をぶつけていたんだろう。






きっと自分で自分に、呪いをかけた。[/太字]







お前がどうしようもなく死にたくなるのと同じくらい、






[太字]俺も生きたいなんて贅沢が言えない天邪鬼だったから。[/太字]








夕凪「朝露。」






朝露「.........なーに」






夕凪「俺がもし壊れたら.........[太字]そん時はお前が世話して。[/太字]」





夕凪「[太字]きっとどっかで、どうしようもなく壊れたくなる日が来るからさ。[/太字]」






朝露「.........もちろん、喜んでするよ?」







相変わらずな俺のお隣さんは優しい笑顔でそう言った。





[太字]俺の好きな笑顔で。[/太字]








.........なぁ、朝露。お前が隣にいてって言ってくれたの、嬉しかったよ。





大丈夫、お前が嫌がっても隣にいるし、死ぬまで......いや、死んだ後でも面倒見てやるからさ。










だからさ、





[太字][中央寄せ]第3小節『 夜の海に溺れないで 』End[/中央寄せ][/太字]

作者メッセージ

第3小節『 夜の海に溺れないで 』

▷ イメージソング
ロウワー / ぬゆり
狼煙 / John

2025/07/10 21:43

炙られまぐろ ID:≫ .6hMiVDXH/LF2
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