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▷ この旋律は『全部上書きして』の続編となっております。先にそちらを読破してからこちらを閲覧することを推奨します。

『全部上書きして』
https://novelcake.net/works/lite/?mode=view&log=1597

▷ シリアス展開・鬱展開   ▷ 多少のグロテスク表現
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▷ 低クオリティ   ▷ とんでもなく不定期投稿

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嘘つきたちの輪舞曲【Lier's world】

#43

甘い香り






[漢字]自分[/漢字][ふりがな]オリジナル[/ふりがな]の顔を優しくなでる。





このままホルマリン漬けにしたら、それはさぞかし綺麗だろうな。







『 ...........本当に綺麗な顔しやがって、憎たらしいくらいに 』






鏡の世界の狭間。






ヒトのカタチを成しきれていないドッペルゲンガーのウジ虫の群れがこちらを見ている。





ドッペルゲンガーはこうして眺めている数秒の間にも何十回何百回と産まれ、何千回何万回と泡に還る。








どうかあなたのヒーローが永遠に生きてくれることを。





正義が良いものとは限らないが、どうかその裁きが正しい方向へ進むものであることを。







『 [太字]_______聖なる祝福を、此処に。それらは正しく振るわれる正義であるように。[/太字] 』








この姿ではそう時間の長くない偽物にできるのは、[太字]これが精一杯である。[/太字]





前にカタチを成した時の人間の微かな記憶は面白いことにオカルティックで、少しだけ試してみることにしたのだ。








「.......っ、」






『 ........じゃあな、俺。 』






「......!」








"『夕凪 璃透』の偽物" としての最期に彼の目を見た。





[太字]鏡の光に照らされ、蜜柑色に透き通った真っ直ぐな瞳が美しかった。[/太字]








[水平線]








この身体ももう、朽ち果て始めている。






[太字]ボロボロと、炭のように、錆びて剥がれる塗料のように。[/太字]









『 ......... 』







それには別に、何の抵抗感もない。





[太字]虚無、それだけ。[/太字]







こぽこぽこぽ、こぽこぽこぽ。






長く、長く。





ターコイズの髪が揺らめく。







こぽこぽこぽ。






サングラスに映る自分の顔までもが、崩れていくのが見えた。









『 ..........。』






あぁ、これが人間の最期か。





何と寂しいものなんだろう。








『 [太字].........蒼穹の彼方に祈りを。その勇気は、万物を動かすであろう。[/太字] 』







選択とは、常に人間を囲むもの。





正しさを受け入れるには強さが必要であって。






[太字]足元を掴まれて動けない人がいるなら、自分が他人ごと動かせばいい。[/太字]





案外、簡単な話なのだ。










「..........。」






『 ........さよならだ、人間。 』





『 [太字]またどこかで。[/太字] 』








知らぬ間に右目が消えて、そのまま。








[水平線]










...........。







夕凪「.......あ」






朝露「あ、やっと起きた」







目の前には何ら変わりのない朝露の姿。





いつも通りの不器用そうに結ばれた三つ編みとサングラスが俺を見ている。






地面には吸われてぺなぺなになったピパコが二つ、ベンチの上に溶け切ったピパコが二つ。





[太字]溶け切ったアイスが、現実だと嗤っている。[/太字]








夕凪「......うわ、てか今めっちゃ夜じゃね?」






朝露「わ、言われたら確かに!夕凪、今何時!?」






夕凪「うるせーなー時間は逃げねーよ、........過ぎてはいくけどな」







時刻は8時くらい。





ほぼ夏真っ盛りとは言え、流石に辺りは暗く街灯がちらほらと点いている。







夕凪「.......今8時くらい」






朝露「えマジ.......?」







そりゃそうなるわ。





信じがたい話だよ。本当。






そう心のなかで思っていると。





突然と、独りよがりな声で言った。








朝露「[太字].........なぁ、お前の煙草1本もらっていい?[/太字]」






夕凪「......え、」






朝露「あ、今そもそも持ってない?」






夕凪「え、いや、あるけど........」







いや、そもそもお前吸わないだろ、?


[太字]タバコの匂い嫌いで吸ってないんだろ......?[/太字]







夕凪「......ある、けど.......」





夕凪「.........その、甘いよ?」







俺が時たま吸ってるキャスマイ。





真っ白なパッケージのやつ。






朝露は俺と違って甘いのは好きじゃない。







朝露「いいのいいの!」






夕凪「.........」







嫌悪感に顔が歪んでいるって、自分で分かる。





[太字]目も合わせられずに、無言でキャスターを1本差し出した。[/太字]







夕凪「ライターいる?」






朝露「あ、お願い。」






夕凪「........ん、ほい。」






朝露「ありがと。」






夕凪「俺、......ゴミ捨ててくるから」






朝露「分かった〜」








夕凪「...........」







地べたに転がったままのゴミ2本はつまんでゴミ箱に。





それだけの事なのに、少しだけ長く感じた。







[太字]何か、大きな忘れ物をしていったような気がして。[/太字]












.......。







朝露「あ......おかえり」






夕凪「........ん、」






朝露「なにー、その無愛想なお返事は」







夕凪「至って普通だが?」





夕凪「........んで? 俺からもらったタバコはうめーかよ」






朝露「......正直微妙。」






夕凪「はー.......だから言ったろ甘いって」






朝露「えへへ」






夕凪「えへへじゃねーんだよえへへじゃ」





夕凪「.........。」






朝露「.......元気ないね」





朝露「どした?夏バテ?」








夕凪「.......いや。」





夕凪「.........その、さ。朝露。」













夕凪「[太字]______海、行かない?[/太字]」





夕凪「[太字]今から。[/太字]」

作者メッセージ

タコピーの原罪見てたら今思いつく限りで最悪のシナリオを考えついた。
ありがとうタコピー。

2025/07/10 10:40

炙られまぐろ ID:≫ .1Jr.yEmfFLbA
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