嘘つきたちの輪舞曲【Lier's world】
ミーンミンミンミンミンミーン......
ミーンミンミンミンミンミーン......
朝露「.........」
夕凪「.........置物とにらめっこして何が楽しいんだか」
朝露「..........」
朝露「夕凪はさ、この世界がおかしいって思ったこと、ある?」
夕凪「.........はぁ?」
ミーンミンミンミンミンミーン......
朝露「[太字].........佐々木がそう言ってたんだ[/太字]」
朝露「..........能力も、過去も、それを受け入れてる俺らも」
朝露「[太字]どっかからしたら『見世物』なんじゃないのかって[/太字]」
夕凪「.........見世物、......」
[水平線]
朱肉「何で僕を殺さなかったんですか!!」
[水平線]
レモン「______やっぱり、あんたらが憎い。」
[水平線]
捨て飯「______そんなんであなた『先生』なんて名乗ってるんですか。醜いですね。」
[水平線]
朝露「.........何でそんな風にできるのさ」
[水平線]
夕凪「...........じゃあ、俺らの人生全部最初から狂わされてたって言うのかよ」
夕凪「決めつけんのはおかしいだろ、馬鹿がよ」
朝露「...........。」
朝露「.........そう、だよね。ごめん。」
ミーンミンミンミンミンミーン......
さっきから、セミの声がうるさい。
[太字]もう、夏なんだな。[/太字]
朝露「にしてもマジあっついな」
夕凪「........まぁ、そりゃ夏だからな」
朝露「アイス........買いに行かね?一緒に。」
夕凪「アイスか........いいよ、夏だし」
朝露「よっしゃ!じゃあ二人で買い行こうぜ!」
朝露「俺ピパコ買おーっと」
夕凪「ピパコ........俺もそれにしようかな」
朝露「お、じゃあ二人で半分こしてトレードしようぜ!」
朝露「俺ホワイトサワー好きだからそれにしよ〜っと」
夕凪「本当に好きだよなその味.........」
朝露「いいじゃーん、何かカ◯ピスみたいな味して美味しいんだからさ〜」
夕凪「俺は.........期間限定の味とかあったらそれにしようかな」
朝露「あーいいねぇ.......夕凪はそういうのよく買うよな」
夕凪「俺は『期間限定』の文字とか『季節の味』みたいなのに弱いから」
夕凪「そういうのどうしても惹かれちゃうんだよ........!!(((」
朝露「何でちょっと悔しそうなのよw」
夕凪「あ、コンビニ着いたぞ。」
夕凪「季節の味ありますよーに」
[水平線]
朝露「ホワイトサワーある〜〜〜」
夕凪「上機嫌すぎるだろ」
夕凪「.........あ、レモン味......」
目線の先に、何かいかにもって感じのレモン味があった。
.........まぁ、確かに爽やかって印象から夏とかは連想されるよな。
夕凪「.........俺これにしよ」
朝露「レモン味? 美味しそー........」
夕凪「どーせ半分こすんだからそう駄々こねんじゃねーよ」
夕凪「セルフレジでいっか」
朝露「俺払う〜」
夕凪「お前払えー」
朝露「はいよ、レモン味。」
夕凪「.........近くにベンチあったはずだし、そこで食おうぜ」
朝露「いいぜ、あ〜あっつい!」
強い日差しに照らされてキミと食べるアイスなんて、何年ぶりだろう。
出会ってから今の今まで、一度もないなんてことは流石に.........ない、よな。
そう信じたい。
[太字][中央寄せ]第3小節『 夜の海に溺れないで 』 演奏開始[/中央寄せ][/太字]