嘘つきたちの輪舞曲【Lier's world】
______。
[小文字]朱肉「......え?」[/小文字]
[太字]______愛する貴方に、希望と夢を[/太字]
[小文字]朱肉「...........何、今の」[/小文字]
魔法のおまじない的な何か? が、聞こえた気がする。
何か、希望やら夢やら.........。
何でだろう。
[太字]でもさっきより、息をするのが楽になれてる気がする。[/太字]
いろは「......行こう? 雅人くんも待ってるよ?」
言うなら今だ。
何が起こってるか分かんないけど......!
朱肉「[太字]..........ッねぇ、待って[/太字]」
いろは「!?」
いろは「え、ど、どうしたの、急に......?」
あ、びっくりさせちゃったかな.......
言うって決めたからには、多少の感情は無視すると決めた。
心のなかに、しまっておこう。
朱肉「[太字]..........僕、いろはさんに伝えなきゃいけない事がある[/太字]」
いろは「..........」
朱肉「........今までずっと、黙っててごめん」
いろは「[太字].........朱肉くん、もういいんだよ。[/太字]」
朱肉「........え?」
いろは「[太字]朱肉くんが私の事好きじゃないってのはもう、分かってるから。[/太字]」
いろは「だから、言わなくてもいいよ。」
朱肉「.........」
朱肉「[太字]______僕が言いたいのは、そんなんじゃない[/太字]」
いろは「.........」
朱肉「好きとか嫌いとか、そんな単純な話じゃない」
朱肉「そんな単純な話なら僕は、トイレに頭突っ込んで顔色悪くなんてしない」
朱肉「______僕が今からする話は本当に、複雑な話だから」
朱肉「正直何を言われても仕方ないかなって思ってる」
朱肉「嫌われるかなとか、今すごく思ってる」
朱肉「.........だから今みたいに、こうやって過ごせなくなるのも、何となく分かってる」
朱肉「[太字]でも、伝えなきゃなって思ったから[/太字]」
朱肉「いろはさんが勇気を出して言ってくれた分の『答え』だと思って、聞いてほしい」
いろは「.........」
いろは「[太字].........分かった。受け入れる覚悟は、あるよ。[/太字]」
いろは「そりゃ、驚いたりとかは流石にするかもしれないしショック受けるかもしれないけど」
いろは「[太字].........でも、どんなカタチでも、受け入れるつもりではある。[/太字]」
朱肉「.........ありがと」
横目に映る色とりどりの紫陽花は窓際で美しく咲いていて、
太陽が雲の合間を縫って一層と光を強くさせる。
朱肉「...........あのね。」
息を吸って、真っ直ぐに彼女を捉えて。
僕は、足を踏み出した。
[中央寄せ][太字]第2小節『 彷徨える愛 』 End[/太字][/中央寄せ]