嘘つきたちの輪舞曲【Lier's world】
賑わう休日のゲームセンター。
この時間帯は子ども連れから大人まで、かき集めてできたように人の雪崩が起こっている。
[太字]______今日は、僕にとって大事な日になる。[/太字]
[水平線]
瑠偉「おはよ、朝早くから来てくれてありがと」
瑠偉「今日は思いっきり遊ぼうな、朱肉」
朱肉「...........うん。」
紫陽花燦く梅雨の時期には珍しく、晴れ間の差し込むいい天気だ。
これを言うと引きこもりみたいだが、久々に陽の光を浴びた気がする。
雅人「あ、いた! おーい!」
翼「雅人走んなって、ゲームセンターは逃げないんだからさぁ」
雅人「別にいいじゃーん」
朱肉「..........ほら、後で一緒にDDRでもしようよ」
朱肉「カードあれば一回無料なわけだし......」
_____あ、いた! おーい!
雅人「今の誰? 俺らとは関係ない人?」
翼「いや違うみたいだよ、ほら。」
朱肉「........!」
朱肉「......おはよ」
「.......お、おはよう......」
「ちょっといろは〜! 何そんなテンション低いの!」
いろは「だ、だってなっちゃん......!」
甘夏「言い訳はいいの! 今日はゲーセンでみんなで遊べるんだからもっと盛り上がろうよ!」
瑠偉「......そんな盛り上がらなくても良くない........?()」
朱肉「......それは思った」
甘夏「えっ!?(((」
瑠偉「よっし、ゲーセンで遊びまくるぞー!((」
甘夏「え、ねぇちょっとぉ!?((」
[水平線]
朱肉「...........んで」
いろは「...........」
雅人「.........」
朱肉「.........どうするの、これ()」
雅人「はい! DDRしたいです!」
朱肉「3人じゃできないでしょ.........」
雅人「じゃあ太鼓の◯人は!?」
朱肉「だから3人じゃできないって(((」
いろは「.........ma◯maiとか?」
朱肉「.........それも二人まで........()」
朱肉「.........オ◯ゲキとかでいいでしょ(((」
いろは「じゃあそれで.......()」
雅人「おっけ〜」
朱肉「............」
[水平線]
朱肉「........雨、降ってるのかな」
さっきから頭が痛い。
頭痛薬持ってて良かったな。
雅人「ダイジョブか? 頭痛い?」
朱肉「あ、......うん。」
雅人「あー、この後雨予報だ。」
朱肉「あー、やっぱり?w」
雅人「毎回雨降るよな朱肉が頭痛めると」
朱肉「確かにねw」
朱肉「でも頭痛薬持ってるからしばらくすれば大丈夫だよ」
朱肉「ちょっと気分良くなるまで休憩するから、先行ってていいよ」
雅人「あ、おっけー。台のとこで待っとくわ」
朱肉「わかった。ありがとね」
朱肉「.........ふぅ」
いろは「..........あれ、行かないの?」
うわ、びっくりした。
何だ、いろはさんか.........
朱肉「え? あ、あぁすぐ行くよ?」
いろは「..........。」
...........言わなきゃ
[太字]本当の僕がいろはさんの思ってる僕じゃないって、言わなきゃ[/太字]
朱肉「.........ッ」