嘘つきたちの輪舞曲【Lier's world】
片魚「.........貴方はやはり、[太字]"狂ってる"[/太字] 。」
片魚「リーダーに見込まれたのが嫌でも納得がいきますね」
リリエル「ふふ、いいねぇ。」
リリエル「呆れ顔と軽蔑の眼差しで僕を見るその顔......。」
伽藍堂「........呆れ、?......軽蔑、?」
片魚「_____そう言えば貴方の『[漢字]居場所[/漢字][ふりがな]すみか[/ふりがな]』は治安は悪いのに『ネオン街』でしたっけ。」
リリエル「あ、知ってるんだ。」
片魚「えぇ。実際、私は[太字]夏目くんの教え子[/太字]でしたから。」
片魚「存在自体は前々から知っているんですよ。」
片魚「彼の道を逸れ続けた人生の一部と、この絵がその頃から描かれていたものだって事も。」
そう言って彼は中身に空白の多いショーケースの上、壁にかけられた絵画を眺める。
片魚「[太字]_____夏目くんを呼びましょうか。[/太字]」
[水平線]
夏目「.............で、僕が呼ばれたと?」
リリエル「そういう事☆」
片魚「どうですか。一つ、昔話でも。」
夏目「.........いいよ。じゃあお話してあげよっか。」
夏目「[太字]向こう側の人たちにも、ね。[/太字]」
そう呟くように吐き捨てた彼の双眸は[太字]、確実に『こちら』を見据えていた。[/太字]
[水平線]
それは、家庭訪問の日であった。
その日は一番に彼の家に訪問する事になっていたが、
彼は時間になるまで学校の教室にこもったままであった。
呼びかければ彼は問いかけに応答し、二人で家まで向かう、という形であった。
片魚「...........夏目さん? 元気がないようですが。」
夏目「.........ううん、なんでもない」
彼は、それこそ学校では明るく振る舞っている。
ただ今日はどう見ても暗いのだ。
片魚「じゃあ、チャイム鳴らしますね。」
ただそれを気にすることもなく。
チャイムを鳴らす。
ピーンポーン
ガチャ
母親「はーい、、あら、先生。今回はどうかされましたか?」
片魚「シロウくんの家庭訪問に参りました。担任の片魚です。」
母親「、、、」
片魚「.........お母様?」
母親「[太字]_____先生。[/太字]」
母親「[太字]そんな子、うちにはいませんよ?(笑)[/太字]」
片魚「............はい?」
母親「[太字]私にはシオンという娘しかいませんよ![/太字]」
母親「[太字]そんな無能な品のないゴミ。うちの子ではありません。[/太字]」
夏目「...........ッ」
母親「.........ですので、さようなら。」
さようなら。
その言葉を向けたのは私か夏目くんかなど知りもしませんでしたが、扉を閉めようとしたのを私は止めていた。
片魚「何を仰っているんでしょうか。」
片魚「そんなの、あんまりではないですか? 虐待でh.......
夏目「[太字]______ッ、、かぁさんッ、!![/太字]」
片魚「、っ」
夏目「[太字]どうして僕を無いモノ扱いするの!?[/太字]」
夏目「[太字]どうして僕と目を合わせてくれないの!?[/太字]」
夏目「[太字]どうして僕だけ無視するの!?[/太字]」
[小文字]夏目「[太字]どうして、ッ............[/太字]」[/小文字]
片魚「...........」
夏目「[太字]どうしてッ、、どうしてシオンばっか大切にするの、、!![/太字]」
夏目「[太字]どうして僕を愛してくれないの!?[/太字]」
夏目「[太字]一度くらい、、ッ、『 大好き 』って、言ってよッ、!![/太字]」
母親「...........」
夏目「......かぁさんッ、、!!」
母親「............」
母親「[太字]____気持ち悪い[/太字]」
夏目「ッッ、、、え、??」
母親「[太字]本当に醜い[/太字]」
母親「[太字]私の子だと思いたくない[/太字]」
母親「本当に私のお腹の中から産まれてきたの?」
母親「、、私の人生の一生の恥よ。穴があったら入りたいくらいにね」
母親「[太字]私にはシオンだけで十分だったのに[/太字]」
母親「[太字]............なんで生きてるわけ?[/太字]」
母親「[太字]さっさと死になさいよこの失敗作が[/太字]」
母親「あんたなんか産まれなきゃ。いや、」
母親「[太字]産まなきゃ良かった[/太字]」
夏目「...........ッッッ」
母親「二度とここに帰ってくんなよ」
そう言うと二階に上がり
ありったけの荷物を路上にぶちまけて扉を乱暴に閉める
その去り際に母親はこう言う
母親「 [太字][大文字]無能で才能のない 醜い異端児が[/大文字][/太字] 」
夏目「、、、、、、、、、」
[太字]僕はその日、〝 絶望 〟を知った。[/太字]