嘘つきたちの輪舞曲【Lier's world】
6月。誕生日も近いというのに、僕の気分は鬱屈としたままだった。
外はまだまだ本気は出してないのに悲鳴を上げるほど暑く、
おまけに雨で蒸されるものだから、身体中暑さが纏わりつく。
それに............
「はー、頭痛い.........」
僕の頭を苛む片頭痛。
だから6月は........[太字]雨の日は嫌いだ。[/太字]
何と言うか、こう......頭を直接ぐわんぐわんと揺さぶられるあの感じが大嫌いだ。
「今日も雨かぁ........[小文字]いやだな[/小文字]」
と言いながら今日も頭痛薬だけさっさと飲んで傘を差して、
[太字][小文字]「........いってくるね、母さん」[/小文字][/太字]
[太字]今日も、虚空に話しかける。[/太字]
[水平線]
「あ、なぁ朱肉。今度あいつらとか誘って一緒にゲーセン行かね?」
朱肉「あー.........行けたら、かな」
「それ絶対来ないやつだろww」
朱肉「いやいやいやいや」
朱肉「だって最近雨ばっかで片頭痛酷くてさ......」
「あー、お前片頭痛持ちなんだな........そりゃ行けないとかあるわな」
朱肉「そ、だからそんな雨降ってなかったら行けるかなーって感じ?」
朱肉「片頭痛あるとは言っても小雨くらいならどうにかなるから」
「あーおっけおっけ。じゃあ行ける行けない関係なく集合場所とか後で送るわ」
朱肉「マジでありがと。やっぱ神だわ[太字][漢字]瑠偉[/漢字][ふりがな]ルイ[/ふりがな][/太字]って」
[漢字]瑠偉[/漢字][ふりがな]ルイ[/ふりがな]「おうおう、もっと褒めてくれてもいいんだぞ?w」
朱肉「じゃー褒めなーい。」
瑠偉「おーい!?!?!(((」
朱肉「www」
さっきからやたらとテンション高いやつがいてすんませんなー。
とか、どこに向かって私は喋ってんだか。
僕のまだ知り合ったばかりの友達の瑠偉くんです。[漢字]空岸[/漢字][ふりがな]からぎし[/ふりがな] 瑠偉くん。
どうやら僕の事は僕の性別の話経由で前々から知ってたみたいで、そこから元々僕に興味があったらしい。
僕の事の理解もしてくれるし、本当に心強い存在って感じ。
こうやって一緒に遊ぶ事も増えたし、そのおかげか去年より友達がだいぶ多くなった気がする。
本当に瑠偉くんには、頭が上がらないな。
世界を敵に回してても、多分瑠偉くんだけは味方でいてくれるって、2ヶ月間の変な信頼がある。
本当に僕のヒーローみたいな、そんな人。
だから僕もいつか、彼のヒーローみたいになってみたいな、なんてのが今の僕の夢。
なれるかな。
瑠偉「......何ニヤニヤしてんの」
朱肉「え?」
朱肉「............」
朱肉「[太字]いや、ゲーセン行くの楽しみだなーってw[/太字]」
[太字]ま、この気持ちは絶対ヒミツだけどね。[/太字]
[太字][中央寄せ]第2小節『 彷徨える愛 』 演奏開始[/中央寄せ][/太字]