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獣魔のあなたへ

#1

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獣魔。それは瘴気に触れてしまった人間が突然変異したもの。

自我を失い、健康な人間に襲いかかる。そして最後は―


[中央寄せ]♦[/中央寄せ]

「やめて!この子だけは…この子だけは駄目よアリサ!!!」

私が5歳だった頃、私以外の家族全員が死んだ。4つ年上の姉と父、母が。

私の姉は幼いころに瘴気に触れ、背中に醜い跡を負った。それは時限爆弾らしい。いつ獣魔になるか分からない。本当ならば警察に届けないといけない”姉”の事故は、”姉の死”という嘘をもって葬る。
両親は姉を失うことなどできなかったからだ。

しかし爆弾を抱えた姉アリサは、私が5歳になる日に獣魔となってしまった。
父を殺し、私を抱えて逃げる母を殺した。

私はというと母の身体を盾にして、犠牲にならずに済んだのだった。
その引き換えにおぞましいものを見た。

姉の面影をそのままにした獣魔と、無精ひげを生やした男。男は大ぶりの刀を持っていて、姉の首を断ち切った。
姉の身体は闇に溶け、浮かび上がった魂は男が持って行った。

残ったのは血だ。混ざり合い、誰の者ともつかない血痕。姉の歯形が付いた遺体。

5歳の私がすべてを覚えられるわけないので、きっと後で誰かから教えてもらったことも含まれているが、私の知る”獣魔”の記憶は以上だ。

[中央寄せ]♦[/中央寄せ]

今、私はレンジャーをしている。
獣魔の討伐や捕獲を目的とするギルドの一員で、特別な刀を使って獣魔を暴く。

私達レンジャーは獣魔を倒す・殺すではなく「暴く」と言っていた。
元々は人だった彼らに対する、最後の敬意として。

「たいちょー、ねぇったらねぇー」

巫女とあだ名されるツインテールの少女が仕事の邪魔をする。
入隊してすでに3年。史上最年少の女性隊長レンジャーとなった私は、そのまま「隊長」「たいちょー」とあだ名されている。本名は姉を思い出すので好きじゃない。

「たいちょー、ほんとに大事なんだよ!!ねぇー」

こういう時は無視に限る。構ってしまうと1時間は覚悟せねば…

[太字]第4番小隊は、至急出動してください。場所はイロハの森―[/太字]

言い忘れていたが私たちは第4番小隊。4番にしてエースの名を冠する、私の誇りだ。
今日の獣魔は、いったい誰なのだろう。

巫女と私は、急いで出動した。

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2024/06/22 11:56

月夜の番人(月乃彩) ID:≫upfsb/.p7ViyM
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