二次創作
集え、水禁学園!
サーシャは激怒していた。
「まったく、勝手に私の情緒をバグらせ、挙句の果てに誤って作品を消す?それでまた知らない砂漠へ転移?ちゃんと脳へ栄養が届いているのか不思議でなりません。...禁術で目に見えない程に切り刻んでやりたいです」
えぇ...怖っ。禁術ってそんな簡単に使っていいの?「頻繁にハッキリと本音でキレる隣のサーシャさん」、ぜひメディアミックスしてもらいたいところだ。
それはいいとして、確かにサーシャの言う通りだ。結局あの世界の事を分からぬまま砂漠から砂漠へ転移したのだ。そして遠くに建物を見つけた俺たちは、現在そこを目指している。遠目に小さく、少なくとも九グループほどが同じ場所を目指しているようだ。
「はぁ、面倒です。なぜか制限された魔力も気力も戻っています。魔法で飛びますよ」
「ちょっ待っうわ、高っおいやめ、やめてマジでお願いゆっくりして」
ぐんぐん近づく建物は学校だった。何が起こってるんだ?校舎の前に設置されている魔法陣が煌めいている。入口が見当たらないことから察するに、この魔法陣で校内に入るのだろう。ぐだぐだしてもらちが明かない。さっさと乗ってしまおう。
校内にテレポートした俺たちの服は制服へと変わっており、教室の生徒用椅子に座らされていた。紺色のブレザーに赤色のリボンを付けたサーシャはすごく様になっていて、いつか「クラスにいたら一目惚れをしていた」なんて形容したことを思い出して、一人赤面する。
その瞬間、次々と周りの机に人が現れ、空いていたスペースが埋まっていく。それだけでも十分異様なのに、さらに異質な光景を目にした俺たちは間抜けにも口をぽかんと開いた。いや、教室にいる全員が同じ顔をしていたように思う。
「「「サ、サーシャが、九人⁉」」」
先ほどと違い、表現ではなくそのままの意味で[漢字]同じ顔[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな]をしている。年齢は幼かったり大人びていたりと、それぞれであった。しかし、その顔立ちは確実にサーシャの物に違いなかった。
それと同じくらい驚いたのは、俺と言葉が重なると言う事はすなわち、それぞれのサーシャの横にいる者たちは日本人であるという事だった。するとその内の一人が突然立ち上がり、提案した。
「お、俺も突然の状況に驚いたけど、取りあえず自己紹介しない?俺は丸山 海です、よろしく。あと、サーシャさんたちは全員混乱するから、後回しにしよう。順番飛ばしちゃったから、次は俺の前の席の人、お願い」
いきなりリーダー性を発揮した丸山は、皆を納得させた。口々に賛同すると席順に自己紹介を始める。
「あ、どうも。僕は田中 鈴野です。静岡県で浜松の生まれです。仲良くできると嬉しいです」
田中の次に自己紹介をする男はどうみても異世界人だった。なぜならサーシャと同じ特徴である、青髪に金眼だったからだ。それは自身でも承知しているようで、
「俺は宮沢 海です。なんか色々あってこんな見た目ですけど、元日本人です」
「次は僕か。申し訳ないが、僕は君たちの言う”日本”なるものは知らないし、珍しい名前もしていない。キマ・レウミデスだ」
いや、珍しくないか?まあそれは日本人の感性か。そして俺はサーシャに耳打ちする。
「おい、ここって翻訳の結界ないだろ。分かるのか?」
「当然分かりますよ。翻訳魔術自体は既にあの世界では知られた技術です。世界は無理ですが、こんな建物くらいなら私の技術でも十分です。よって全員意思疎通は可能です」
「おう、そうか。サンキュー。さて、俺の番か」
ふん、皆周りを警戒している風だが、ここで流れを変えるとしよう。水だけに。
「初めまして。水城 海です。皆さんがそれぞれの世界でどんな扱いを受けていたかは分かりませんが、この世界では関係ありません。ここは水に流すと...」
「おいそれ俺のジョーク!」
「ちょ...ちょっと、まるっマルヤマさんっ!やめてくださいっ!ボ、ボクが恥ずかしいですっ!」
いきなり俺渾身のジョークを遮り、自作発言をする丸山を宥めるボクっ娘サーシャ。仲がよさそうで何よりだ。ギャグを遮られたのは少し不愉快だが、当初の目的であった「場を和ませる」というのは達成できたようなので良しとしよう。
しかし折角出来上がった雰囲気は、次の瞬間ぶち壊される。その男、男か?その体は―――
「こんな体ですみません。こっちのサーシャの所為なんです。名前は...見た目のインパクトで覚えられないと思うので、トビウオとお呼び下さい」
トビウオ...?ギャグ?しかし、「もう中学生」みたいな独特なノリのギャグだな。誰にも受けてないぞ。...本当の本当にトビウオなのだろうか。
「じゃあ次はわたし?わたしはフェアリーのティアラ!生まれた場所がひどかったからこっちへ来れて良かった。命の危険もなさそーだし!」
おいおい、二体とも人間じゃないぞ。サーシャという名のスライムが横で動いていた。しかし魔物とはいえ平和を望む者となら仲良くできるだろう。
次の男は人間の中では異質で、その大きな背丈で俺たちを見下ろした。驚いたが、よく見ると優しそうな眼をしている。きっとその優しさで隣に座るサーシャを守って来たのだろう。
「僕は『多盾のヨウ』。よろしく」
「あ、あんまりしゃべらないけど優しいの!怖がらないであげて、ください」
誤解を招くと思ったのだろうか、サーシャ(幼)はヨウにしがみつき、慌てて彼のことを弁明する。その微笑ましい光景に笑みがこぼれる。
「さて、では私も名乗るとしよう。日本人も思っていたよりいるらしいし、私の名前もなじみ深く聞こえる筈だ。私の名前は...」
なぜか彼の横のサーシャはこめかみを抑えて、肩をすくめている。頭痛でもするのか、或いは何か呆れているのだろうか。そして彼は一度溜めた言葉を繰り返し、続きを話した。
「私の名前は......すまない、原因は不明だが記憶が曖昧になっていて思い出せなくなっている。仕方がないので〔匿名〕とでも呼んでくれ」
[太字] [大文字]「...引っ張っておいてそれはないだろう⁉⁉」[/大文字][/太字]
口々にそう言う皆の反応を見て、呆れサーシャ(仮)は彼に耳打ちする。
「なあ、キミのそれは持ちネタか何かなのか...?」
「いや、普通に思い出せないんだ」
最後の一人だろうか、のそっと立ち上がると口を開いた。
「あー、雨傘 速秋だ。あまり濃いキャラではないが、特徴的な輩が多いこのクラスでは、上手く調和がとれるのではなかろうか」
雨傘の紹介が終わると、皆 どっと疲れた表情を見せた。どれだけ転移してきたんだよ、これ。覚えきれねぇよ。更に見分けのつきにくいサーシャたちのこともある。どれがどの世界のサーシャか、なんて果たして分かるようになるのか?まあ種族から違うサーシャ?もいるようだが。
しかし前と違い命の危険が無さそうなことを鑑みると、あまり不平不屈を言うもんでもないか。脳の容量が不安ではあるが、頑張るとしよう。
俺は一抹の不安を抱えたまま、この謎の学園生活を受け入れることにした。さあ、次はサーシャの紹介だ、気合いを入れて暗記するぞ!
「まったく、勝手に私の情緒をバグらせ、挙句の果てに誤って作品を消す?それでまた知らない砂漠へ転移?ちゃんと脳へ栄養が届いているのか不思議でなりません。...禁術で目に見えない程に切り刻んでやりたいです」
えぇ...怖っ。禁術ってそんな簡単に使っていいの?「頻繁にハッキリと本音でキレる隣のサーシャさん」、ぜひメディアミックスしてもらいたいところだ。
それはいいとして、確かにサーシャの言う通りだ。結局あの世界の事を分からぬまま砂漠から砂漠へ転移したのだ。そして遠くに建物を見つけた俺たちは、現在そこを目指している。遠目に小さく、少なくとも九グループほどが同じ場所を目指しているようだ。
「はぁ、面倒です。なぜか制限された魔力も気力も戻っています。魔法で飛びますよ」
「ちょっ待っうわ、高っおいやめ、やめてマジでお願いゆっくりして」
ぐんぐん近づく建物は学校だった。何が起こってるんだ?校舎の前に設置されている魔法陣が煌めいている。入口が見当たらないことから察するに、この魔法陣で校内に入るのだろう。ぐだぐだしてもらちが明かない。さっさと乗ってしまおう。
校内にテレポートした俺たちの服は制服へと変わっており、教室の生徒用椅子に座らされていた。紺色のブレザーに赤色のリボンを付けたサーシャはすごく様になっていて、いつか「クラスにいたら一目惚れをしていた」なんて形容したことを思い出して、一人赤面する。
その瞬間、次々と周りの机に人が現れ、空いていたスペースが埋まっていく。それだけでも十分異様なのに、さらに異質な光景を目にした俺たちは間抜けにも口をぽかんと開いた。いや、教室にいる全員が同じ顔をしていたように思う。
「「「サ、サーシャが、九人⁉」」」
先ほどと違い、表現ではなくそのままの意味で[漢字]同じ顔[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな]をしている。年齢は幼かったり大人びていたりと、それぞれであった。しかし、その顔立ちは確実にサーシャの物に違いなかった。
それと同じくらい驚いたのは、俺と言葉が重なると言う事はすなわち、それぞれのサーシャの横にいる者たちは日本人であるという事だった。するとその内の一人が突然立ち上がり、提案した。
「お、俺も突然の状況に驚いたけど、取りあえず自己紹介しない?俺は丸山 海です、よろしく。あと、サーシャさんたちは全員混乱するから、後回しにしよう。順番飛ばしちゃったから、次は俺の前の席の人、お願い」
いきなりリーダー性を発揮した丸山は、皆を納得させた。口々に賛同すると席順に自己紹介を始める。
「あ、どうも。僕は田中 鈴野です。静岡県で浜松の生まれです。仲良くできると嬉しいです」
田中の次に自己紹介をする男はどうみても異世界人だった。なぜならサーシャと同じ特徴である、青髪に金眼だったからだ。それは自身でも承知しているようで、
「俺は宮沢 海です。なんか色々あってこんな見た目ですけど、元日本人です」
「次は僕か。申し訳ないが、僕は君たちの言う”日本”なるものは知らないし、珍しい名前もしていない。キマ・レウミデスだ」
いや、珍しくないか?まあそれは日本人の感性か。そして俺はサーシャに耳打ちする。
「おい、ここって翻訳の結界ないだろ。分かるのか?」
「当然分かりますよ。翻訳魔術自体は既にあの世界では知られた技術です。世界は無理ですが、こんな建物くらいなら私の技術でも十分です。よって全員意思疎通は可能です」
「おう、そうか。サンキュー。さて、俺の番か」
ふん、皆周りを警戒している風だが、ここで流れを変えるとしよう。水だけに。
「初めまして。水城 海です。皆さんがそれぞれの世界でどんな扱いを受けていたかは分かりませんが、この世界では関係ありません。ここは水に流すと...」
「おいそれ俺のジョーク!」
「ちょ...ちょっと、まるっマルヤマさんっ!やめてくださいっ!ボ、ボクが恥ずかしいですっ!」
いきなり俺渾身のジョークを遮り、自作発言をする丸山を宥めるボクっ娘サーシャ。仲がよさそうで何よりだ。ギャグを遮られたのは少し不愉快だが、当初の目的であった「場を和ませる」というのは達成できたようなので良しとしよう。
しかし折角出来上がった雰囲気は、次の瞬間ぶち壊される。その男、男か?その体は―――
「こんな体ですみません。こっちのサーシャの所為なんです。名前は...見た目のインパクトで覚えられないと思うので、トビウオとお呼び下さい」
トビウオ...?ギャグ?しかし、「もう中学生」みたいな独特なノリのギャグだな。誰にも受けてないぞ。...本当の本当にトビウオなのだろうか。
「じゃあ次はわたし?わたしはフェアリーのティアラ!生まれた場所がひどかったからこっちへ来れて良かった。命の危険もなさそーだし!」
おいおい、二体とも人間じゃないぞ。サーシャという名のスライムが横で動いていた。しかし魔物とはいえ平和を望む者となら仲良くできるだろう。
次の男は人間の中では異質で、その大きな背丈で俺たちを見下ろした。驚いたが、よく見ると優しそうな眼をしている。きっとその優しさで隣に座るサーシャを守って来たのだろう。
「僕は『多盾のヨウ』。よろしく」
「あ、あんまりしゃべらないけど優しいの!怖がらないであげて、ください」
誤解を招くと思ったのだろうか、サーシャ(幼)はヨウにしがみつき、慌てて彼のことを弁明する。その微笑ましい光景に笑みがこぼれる。
「さて、では私も名乗るとしよう。日本人も思っていたよりいるらしいし、私の名前もなじみ深く聞こえる筈だ。私の名前は...」
なぜか彼の横のサーシャはこめかみを抑えて、肩をすくめている。頭痛でもするのか、或いは何か呆れているのだろうか。そして彼は一度溜めた言葉を繰り返し、続きを話した。
「私の名前は......すまない、原因は不明だが記憶が曖昧になっていて思い出せなくなっている。仕方がないので〔匿名〕とでも呼んでくれ」
[太字] [大文字]「...引っ張っておいてそれはないだろう⁉⁉」[/大文字][/太字]
口々にそう言う皆の反応を見て、呆れサーシャ(仮)は彼に耳打ちする。
「なあ、キミのそれは持ちネタか何かなのか...?」
「いや、普通に思い出せないんだ」
最後の一人だろうか、のそっと立ち上がると口を開いた。
「あー、雨傘 速秋だ。あまり濃いキャラではないが、特徴的な輩が多いこのクラスでは、上手く調和がとれるのではなかろうか」
雨傘の紹介が終わると、皆 どっと疲れた表情を見せた。どれだけ転移してきたんだよ、これ。覚えきれねぇよ。更に見分けのつきにくいサーシャたちのこともある。どれがどの世界のサーシャか、なんて果たして分かるようになるのか?まあ種族から違うサーシャ?もいるようだが。
しかし前と違い命の危険が無さそうなことを鑑みると、あまり不平不屈を言うもんでもないか。脳の容量が不安ではあるが、頑張るとしよう。
俺は一抹の不安を抱えたまま、この謎の学園生活を受け入れることにした。さあ、次はサーシャの紹介だ、気合いを入れて暗記するぞ!