[太字][中央寄せ]第２５話「荒廃した城」[/中央寄せ][/太字]

そう言って誠也は霊夢たちを案内しながら歩く。
体感だと2時間ほど経っただろうか…、奥に城のような建造物が建っていた。かなり大きく、もともと栄えていた場所だと断定できる。

「一応、ここでは敵に襲われません。安心してください」

この言葉を聞いたとき、背筋が凍った。
つまり、言葉を裏返せばこう読み取ることができる。

(　ここにいなければ敵に襲われます　)

あの入口にあった死体は逃げ遅れた人の死体なのだろう…

「ひとまず、作戦を立てましょう。まず、自分からこのトーナメントのルールについて教えます。」

誠也が服のポケットからメモ用紙を取り出す。

「えぇっと、まず、ルールは3つあって、
　1つ目「試合は、片方が降参・平服するか、死ぬまで行う」
　2つ目「降参・平服したが、殺した場合は、敗北扱いを受ける」
　3つ目「乱入をした者は即取り押さえ、処刑する」

ですね。他に聞きたいことがある人はいますか？」

レミリアが挙手をする。

「処刑されるのは乱入した者だけ？2つ目のルールを破った人は？」

下を見ながらうずくまり、答える。

「次の戦いへの出場権がなくなる…だけ」

ゾッとする、人を殺しても許されると行って過言ではないのだ

[太字][中央寄せ]第２６話「ニーズ」[/中央寄せ][/太字]

「これは初代、300年ほど前からあった規則です」

そんな前から行っているせいか、頻度が高いかの2択ではあるが、
明らかに血の匂いがして、鼻がつる…。

「あれ？じゃあお前は今何歳だ？」

300ほどは超えているだろう。
先ほどの発言でこれは確定している。

「さぁ…どうだったかは、あまり覚えていません」

予想外の答えだった、年齢をあまり覚えていない。
それすなわち、永く生きすぎていて数えていないということになる。

だが、300年ほどという曖昧な答えだが、数えるのも鬱陶しいほど生きていたら年すら数日に感じるだろうに、なぜあんなにキッパリ言えたのかが謎だ。

「取りあえず、作戦を立てましょう。まず前提として、自分か　
　ら情報を出しておきましょう」

誠也から出された情報は以下の通りだ[水平線]
・今回のトーナメントは[漢字]地獄天[/漢字][ふりがな]フェルルーノ[/ふりがな]にある４つの組織の内の１つ《ニーズ》と
・ニーズには閻魔などの政府の中でも力を持っているものを指す。
・今回のトーナメントに権力は通用しないため政府であることも無視する
[水平線]

「なるほど…。じゃあ勝利条件は？」

「勝利条件は敵の大将を平服させるか殺すかの2つのパターンがあります」

[太字][中央寄せ]第２７話「副指揮官《ルータ》」[/中央寄せ][/太字]

大将…聞いてはいないが、イメージ的には騎馬戦のようなことをするのか…、と考えていたのも束の間。細かい説明を求める霊夢の声に誠也が口を開いた。

「この戦いのより詳しいルールについてもお教えします」

「まず、大将を1チームにつき１人決めて下さい」

困惑しながらも大将を決める、結果として推薦となったが、ロイが大将に努めることになった

決まったことを確認した誠也はロイに近づき

「えっと、ロイさん。大将は能力を使ってはいけません」

さらに困惑する。皆の困惑した顔をみると誠也が急ぎながら、

「すいません！すいません、説明はするのでもう少し話を聞いてください」

「正確に言うと、能力を封じれる能力者がいるので、その人に封じてもらいます」

「それこそ、先ほど話したニーズの副指揮官、ルータさんです」