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稲妻作家の一日

#1


「はぁー、とりあえず今は終わり!あとでまた書くかな」
一旦筆を置いて、数秒伸びと深呼吸をする。一時間執筆をするだけでも、かなり体は疲れる。
稲妻の物書きである私は、少し前に八重堂の「この小説はすごい!」コンテストで受賞し、今は一端の売れっ子作家として活動している。
「人気になってから、活動量増えたな…いやまぁ、嬉しいけどさ」
あの時コンテストに受賞してから、私の活動量は前の三倍に増えた。嬉しいことではあるが、やはり忙しいのは少し困ったものだ。これも、嬉しい悲鳴といったものだろうか。
「はぁー、何か食べに行こう」

[水平線]
私は毎日、糖分補給として団子牛乳を飲む。頭が冴えていない時に飲むと、疲れている脳が一気に目覚めていく感覚だ。
「はぁ…生き返る」
まるで酒でも飲んだ親父かのように、一息をついた。
そしてその時。
「あっ、八重編集長!」
偶然、八重神子編集長が出かけているところに出会った。編集長は一瞬だけ目を丸くしたあと、いつもの不敵な笑みを浮かべ、こちらに優雅な歩きでやってきた。
「[漢字]千保[/漢字][ふりがな]ちほ[/ふりがな]、久し振りじゃな。元気にしておるか?」
「はい、お陰さまで、執筆活動も順調ですー」
そこそこのお世辞だと思われたかもしれないが、これは事実、ほんとうの話だ。
編集長に実力を買われてから、一気にモチベーションが増えた。同時にプレッシャーも増えた、という事だとは思うが、ここはあくまでポジティブに。
「そうか、其れは良かった。困った事が有れば、何時でも妾に聞くんじゃぞ」
「はい編集長、ありがとうございますー」
そう言って、私と編集長は別れた。なにか、この後の用事でもあったのだろうか。まぁ、私もこれからすぐ執筆活動をしなければいけないので、ここで別れたのは好都合ではあるが。
「さて、小説書きますかー」

[水平線]
「えーっと、ここの言い換え…なるほどね」
あれから四時間ほど経ち、私は今現在、執筆活動に打ち込んでいる。
「どうしよう、この後はこうする予定だけど、そうするとまた次の描写がな…」
締切が近いわけでもないのに、どうしてこんなに集中しているのかというと、単純に、書くことが好きだからだ。
「ふぅー…やっと二章が書き終わりだよ」
伏し目で窓の方に目をやると、稲妻はもうとっくに夕方だった。さっきが丁度昼食ぐらいの時間だったので、空の色が変わるまで、集中していたらしい。
「はぁ、一段落付いたし、休憩休憩!」
早めの夕食を取りに行こうと、私は外に出ることにした。

[水平線]
「ごちそうさま。美味しかったー」
今日は、稲妻風にアレンジされた、璃月の料理を食した。稲妻人の味覚にうまく合わせていて、美味しかったと思う。
「はぁ、小説…書こうか」
私の日々は、些細に違うこともあれど、いつもこれらの繰り返しだ。
小説を書くことがほぼ生きがいになっていて、それは私にとってお気に入りの日々で。
私はこれを、大切にしていきたいな、と思う。

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作者メッセージ

これ、もしかしたら今後シリーズ化するかもです。その時はよろしくお願いしますね。


登場人物
八重神子
千保(主人公)

2024/05/20 00:34

夢野 シオン@水野志恩SS ID:≫7tLEh4qnMjetA
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