現在、二次創作界隈では以下のような暗黙のルールが成り立っているようです。
- 二次創作を公開する際には、注釈が必要である
- 公式とは無関係であること
- その二次創作の内容に、性的な内容が含まれているかどうか
- 閲覧者にとっての「解釈違い」である可能性を前もって提示しておく(例:BL、非公式CP、現パロ、キャラ崩壊等)
- 中でもnmmnやhnnmはできる限り目につかないようにしなくてはならない
- 自分もしくは仲間内だけで、隠れて楽しむべきである。
- 良いと思った作品であっても、拡散してはならない
- 作成した作品がなるべく見られないよう、検索避け(除け)をしなくてはならない
- 決して本人やファンに見えないよう最大限の努力をしなくてはならない
ですがあくまでこれらは”暗黙の了解”であって、「二次創作を公開する時はこうするべき」という”正式な”ルールは成立していません。
それも当然のことで、二次創作作品を不特定多数の目に触れるよう公開した時点で「クロ」となるからです。
中には(提示した規約内で行うのであれば)二次創作の公開をすることを許可している権利元もありますが、そうでない作品の二次創作を公開することは法に触れる行為となります。
つまり、二次創作物の公開は基本的には「やってはいけないこと」ですから、権利元の許可を取らずに合法的に公開するためのルールなんてものは、どうしたって成り立つわけがないのです。
それでも二次創作を公表したい、という方は跡を絶ちません。
権利元が大目に見てくれている=訴えていない、のをいいことに、多数の方々が「赤信号皆で渡れば怖くない」といわんばかりに世界中に大公開しているのが現状です。
そして、それら二次創作のなかでも腫れ物のように扱われるのが「nmmn」というジャンルなのです。
なぜ、同じ二次創作にもかかわらず、アニメや漫画などの二次創作は堂々と公開している方が多いのに、「nmmn」だけが隠れるべきなのか。
重ね重ねいいますが、nmmnであろうがなかろうが、二次創作の公開は法的に許されていないにもかかわらず、です。
結論から言いますと
「nmmn」好きな方が、「nmmn」の二次創作を続けたいから
です。
ちょっと意味がわかりませんね。
少し順を追ってお話しましょう。
これは体感でしかありませんが、二次創作の中でも「nmmn」を苦手とする方が多いような気がします。
nmmn発言や、nmmn二次創作を発表する方に対して、大変な嫌悪感を抱く人、それを声高に叫ぶ人などは、ちょっと検索すればわんさと出てきます。
ですが、「『nmmn』だけを執拗に叩くこと」対しては少々疑問点があります。
なぜ二次創作の中でも「nmmn」だけが叩かれやすいのか。
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2000年代初頭に「Twitter」や「Pixiv」といった、気軽にイラストや小説をネット上で公開できるサービスが台頭してくるようになりました。すると、それまで隠れて活動していた二次創作の愛好者さんたちが、次々に自分の作品を投稿・公開するようになったのです。
「デジタルで実現できる創作」と「作品を見てもらいたいという欲求」、それが簡単に実現できるインターネットサービスとが、うまく融和したわけです。
そうすると、加速度的に二次創作作品はネットに溢れかえり、作品名を検索するだけで簡単に検索画面に引っかかって”しまう“くらいの勢いとなりました。そうしているうちに、世間にも二次創作というものが認知され始め、二次創作を閲覧することを楽しみ、感想をつぶやき、「いいね」をする人々もどんどん増えていきました。
そして何が起きたかというと
「二次創作はみんながやっているし、誰にも怒られないから堂々と公開しても大丈夫」
という、謎の風潮になりました。
前述の「赤信号皆で渡れば怖くない」です。
そして中には、違法だということも知らずに公開している方、権利元の規約も全く確認せずに公開している方も、ざらにいます。
そういうこともあり、二次創作界隈は実質、無法地帯となっています。
そうなると必然的に、検索サイトやTwitterなどで、二次創作が大量に引っかかるように(多くの方が閲覧できる状態に)なります。
二次創作を好まない方が、ある作品について調べようと思って検索すると、無関係な二次創作物がどんどん引っかかる、といったことが普通に起きるようになったのです。
そうすると、二次創作が苦手な方々は、不快感をあらわにします。
二次創作を堂々と公開する環境があるということは、「それは不快な表現です」と、声高に叫べる環境もあるということです。
そういう声が二次創作者たちに届くようになり、二次創作が苦手な方々から批判がきたり、叩かれたりといった事が出てくるようになりました。
そこで「配慮」と言う名の「アンチからの自衛」として、前述の”検索避け”といった暗黙のルールができ始め、投稿・公開が現在も続いているというわけです。(実際には除けられているとは言い難い状況ですが。)
と、そこで「nmmn」です。
なぜnmmnも同じ流れにならなかったのか。
これはまことしやかに言われていることですが、nmmn二次創作が目につくと、「(題材とされた)本人が傷つくかもしれない」とか、「ファンが不快な思いをしないように」といったことが理由のようです。
漫画やアニメの原作も、原作者やファンが不快な思いをする可能性がある、ということは同じだと思うのですが……
結局大きな違いは、題材とした人物(キャラクター)が実在するか否か、です。
実在する、感情を持った人間を題材にして、その方が傷ついたり、不快な思いをしたりしないように、という「配慮」のようにも思えますが、実際はちょっと違います。
仮に、二次作品の題材とされた御本人がその作品を見たとします。
そして、公式TwitterやYouTubeで「不快でした」と報告しようものならあっという間に大炎上です。
所属事務所が、作品の投稿主を訴えでもしたなら、さらには「うちの所属タレントの二次創作公開一切禁止」なんて発表しようものなら、すべておしまいです。
「nmmn」はアウトだと世間的に植え付けることになります。
nmmnを愛好する方にとって、これはもう絶対に避けたいことです。
そのため、nmmnを愛好している方々が、自治ルールを呼びかけあって、「nmmn」作品をできるだけ多くの方の目(特にナマモノ警察)に触れないようにしているわけです。
例えば、SNSの鍵垢で公開する、親しい者同士のみで公開し合う、隠語でタグ付けをする、といったことです。
それがどこまで効果があるかは不明ですが、「私はnmmnルールを守っている」ということがアピールできますし、いかに見つからないように努力しているかが認められる、かもしれません。
つまり、御本人やファンへの配慮だけではなく、nmmn仲間への配慮も含まれているのです。
結局は
「nmmn二次創作の公開を怒られずに続けたい」
それに尽きるのです。
ただ何度も言うようですが、漫画やアニメの原作も同様です。
どのジャンルにせよ訴えられる可能性があるのです。
二次創作が苦手な方はもちろん大勢いらっしゃいますが、それを理由に、お互い叩きあう必要はないはずです。
nmmnが嫌いだからと、相手を攻撃する必要はないはずです。
そして、二次創作(nmmn含む)を公開したい人は、上記のような「苦手な人たち」がいることを知っておくべきです。
二次創作を続けたいのなら、nmmnであろうがなかろうが、違法なものを公開しているのだということを自覚し、訴えられる可能性は0ではないという覚悟のもと、双方不特定多数の目につかない所で公開しあってください、というのが筋かと思います。
二次創作の公開が法に触れる行為であるうちは、周囲の顔色を伺いながら暗黙のルールを守って、足並みをそろえて作品を公開すること。
それが吉です。
それが二次創作と「nmmn」の現状です。