小説の「アイディアをパクる」ことについて

ごくたまに「私のアイディアを盗まれました」、「この設定をパクられました」、「〇〇さんのやり方を真似している人がいます」という通報を受けることがあります。

初めに言っておきますと、日本の法律では「アイディア」自体に著作権はありません。
その「アイディア」を特許として取得し、それを真似されたときに、初めて著作権侵害として訴えることができるようになります。

当サイトでは、設定自体を真似されたという通報に関しては、真似されたという本人から通報があった場合に、何かしらの対処をすることがありますが、積極的には行わないことが多いです。

と、ここで「パクった」ことに身に覚えのある方、ホッとしないでくださいね。サイトから特段お咎めがなくても、リスクが伴わないわけではないですよ。
 
実際、本当にその「アイディア」を誰が最初に始めたことなのか、調べることは不可能に近いです。このサイトでは最初に始めたかもしれませんが、実は他のサイトでは普通に採用されているアイディアだった、ということは往々にしてあります。
本当に自分が第一人者か?ということは、一旦冷静になって考えてみましょう。

もちろん、真似されたことで腹立たしい気持ちになるのは当然です。

勝手に真似しないでください
真似するなら一言ください

そう言いたくなるのはとても良く分かります。
せっかく自分が生み出したアイディアです。簡単に「パク」られてしまえばそりゃあ腹が立ちます。

「あなたのアイディアがいいと思われたから真似されたんですよ」
「むしろ真似されたことを光栄に思ったほうがいい」
なんて言葉を言う人もいますが、それは無関係な第三者だから言えることです。
そう思うかどうかは「パクられた」本人次第です。押し付けるものではありません。

ですが、これは知っておいてください。
周りの人たちは「これは〇〇さんの真似をしているな」ということは分かっています。
許可も得ずにアイディアの真似をして、美味しいところだけをいただいてしまおうという魂胆は、わりと簡単に見破られてしまうものです。
「〇〇さんから許可をもらいました」の一言も添えずに投稿するのは、普通に見苦しいですよね。
そして、そのようなことをするユーザーからは、人が離れていきます。

自分が生み出したという自負があるのであれば、何も負い目はありませんよね。「パクった」人たちに負けない熱量で、クオリティを落とさず、そのアイディアを活かしてください。
それが、あなたが「オリジナル」であることを認識してもらう一番の方法です。

と、これで終わりではありません。

これだけは忘れないでください。

あなたもいつか「パクる」側になる日がくる可能性だってあるのです。

意図的に「パクる」のは論外ですが「たまたま似てしまった」、「偶然同じセリフになった」ということはよくあることです。
特に、年齢が近く、同じ漫画やアーティストが好き、……となると、その「好きなもの」から吸収するものも、当然似たようなものになってしまいます。

過去に見聞きした小説、漫画、曲などから無意識のうちにインスピレーションが湧いて、そのアイディアが生み出されたとしたら、そのアイディアに類似したものを思いつく人が他にいてもおかしくありません。
同じ人間なのですから。

自分が考えた文章やアイディアが「〇〇さんのパクリですね」と言われ、「自分はパクったつもりはなかった」と主張しても、上記のように「あの人は〇〇さんの真似をした人だ」と、周りから人が離れていくでしょう。

 
さて、その可能性を視野に入れたとき、自分の作品が「パクられた」と感じたとき、あなたならどうしますか?

「真似たつもりはなかった」と言われて

その相手を許しますか?
それとも、徹底的に糾弾しますか?

いつ自分が、どちらの立場に立つのかわからないのです。

自分は盗作したつもりはなかったのに「パクリ小説」と決めつけられ、「パクりましたね」、「通報しました」、「削除してください」、という言葉をかけられたら、どんな気持ちになるでしょう。

もしかしたら、自分が無意識に「パクる」側になってしまうかもしれない。
そういう可能性も視野に入れて、考えてみてください。

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