窓
エレベーターに6階と表示される。
「「6階――」」
二人は顔を見合わせた。
[明朝体]『6階に到着しました』[/明朝体]と機械の音が聞こえた。
「6階って…」
あの窓がある場所だ。この学校には、本当に6階があったの⁉
「――いこう」
確かに、ここまで来たら行くしかないよね。
私はエレベーターを降りた。
コツ…コツ…
すごい。上靴ってこんなに音が響くんだ。
そんなどうでもいいことを思いながら、私は1つの教室を見つけた。
[太字][大文字]窓[/大文字][/太字]
「あれ、これって学年と組が書いてあるんじゃなかったっけ」
―――シーン―――
…無視された?
零が教室のドアを開けた。
私は目を見開いた。
だって…だって…教室の壁に、一個だけ大きい窓があったから。
窓の前にだれかが立っていた。空を眺めてた。
真っ黒の…人の影みたいな。
「こんにちは、私のことは…[大文字][太字]相手[/太字][/大文字]って呼んで」
あ。自己紹介してくれた。
「――ある?」
「え?」
いきなり問われて聞き取れなかった。けれど、相手はもう一度行ってくれた。
「このセカイが変わってほしいって思ったことある?」
「…?」
「もっと違うセカイで生きたいって思ったことある?」
「えっと…」
ない…です。
そうとはいえなかった。
すると、相手は、私たちの方を向いていった。
「この窓から飛び降りれば…もっと…違うセカイへ行けるよ!」
相手は言った。
「どう?素敵じゃない?いいよね!」
その声は私達を動揺させた。
「飛び降りるだけで新しいセカイへ行けるんだよ!」
「えっと…」
私は迷った。だって、急にこのセカイからいなくなったら友達が心配するし…
すると、相手は困った顔で言った。
「迷ってるの?せっかくあなたたちを受け入れてあげたのに」
どうすれば…どうしたらいいの⁉
私は助けを求めるように零の方を向いた。けど零は顔をそむけてしまった。
「えっと…じゃあ…やってみます」
私は嘘をついた。
「本当⁉じゃあ、私はこれでサヨナラするね」
そう言って、相手は消えた。
「…よし」
私はくるりとドアの方を向く。
もう…この部屋から出よう。
「…え」
ドアが開かない。
このまま飛び降りなきゃいけないの⁉
[漢字]額[/漢字][ふりがな]ひたい[/ふりがな]にあせが流れ落ちる。
この教室…窓が一個しかないんだよね…
ガラリ。
私は勢いよく窓を開けた。
零が歩いてくる。
「6階ってこんなに高いんだね」
「そうだね…」
私は力なく言った。
もうこのまま飛び降りちゃおうかな。
私は、窓のふちに手を置く。
すると、その手に零が手を重ねた。
「飛び降りるの?」
新しいセカイ。それが楽しく面白いセカイとは限らない。
わたしは――
「いいよ。新しいセカイ、行ってみよう」
もしセカイが楽しくなくても、面白くなくても、わたしが変えればいい。
ふわっ
体が宙に浮いた。
そのまま私たちは地面へ落ちていった――
――はずだった。
空に吸い込まれていくような感じ。
すると、私は突然強い眠気を感じて、そのまま眠りについてしまった。
[水平線]
「「6階――」」
二人は顔を見合わせた。
[明朝体]『6階に到着しました』[/明朝体]と機械の音が聞こえた。
「6階って…」
あの窓がある場所だ。この学校には、本当に6階があったの⁉
「――いこう」
確かに、ここまで来たら行くしかないよね。
私はエレベーターを降りた。
コツ…コツ…
すごい。上靴ってこんなに音が響くんだ。
そんなどうでもいいことを思いながら、私は1つの教室を見つけた。
[太字][大文字]窓[/大文字][/太字]
「あれ、これって学年と組が書いてあるんじゃなかったっけ」
―――シーン―――
…無視された?
零が教室のドアを開けた。
私は目を見開いた。
だって…だって…教室の壁に、一個だけ大きい窓があったから。
窓の前にだれかが立っていた。空を眺めてた。
真っ黒の…人の影みたいな。
「こんにちは、私のことは…[大文字][太字]相手[/太字][/大文字]って呼んで」
あ。自己紹介してくれた。
「――ある?」
「え?」
いきなり問われて聞き取れなかった。けれど、相手はもう一度行ってくれた。
「このセカイが変わってほしいって思ったことある?」
「…?」
「もっと違うセカイで生きたいって思ったことある?」
「えっと…」
ない…です。
そうとはいえなかった。
すると、相手は、私たちの方を向いていった。
「この窓から飛び降りれば…もっと…違うセカイへ行けるよ!」
相手は言った。
「どう?素敵じゃない?いいよね!」
その声は私達を動揺させた。
「飛び降りるだけで新しいセカイへ行けるんだよ!」
「えっと…」
私は迷った。だって、急にこのセカイからいなくなったら友達が心配するし…
すると、相手は困った顔で言った。
「迷ってるの?せっかくあなたたちを受け入れてあげたのに」
どうすれば…どうしたらいいの⁉
私は助けを求めるように零の方を向いた。けど零は顔をそむけてしまった。
「えっと…じゃあ…やってみます」
私は嘘をついた。
「本当⁉じゃあ、私はこれでサヨナラするね」
そう言って、相手は消えた。
「…よし」
私はくるりとドアの方を向く。
もう…この部屋から出よう。
「…え」
ドアが開かない。
このまま飛び降りなきゃいけないの⁉
[漢字]額[/漢字][ふりがな]ひたい[/ふりがな]にあせが流れ落ちる。
この教室…窓が一個しかないんだよね…
ガラリ。
私は勢いよく窓を開けた。
零が歩いてくる。
「6階ってこんなに高いんだね」
「そうだね…」
私は力なく言った。
もうこのまま飛び降りちゃおうかな。
私は、窓のふちに手を置く。
すると、その手に零が手を重ねた。
「飛び降りるの?」
新しいセカイ。それが楽しく面白いセカイとは限らない。
わたしは――
「いいよ。新しいセカイ、行ってみよう」
もしセカイが楽しくなくても、面白くなくても、わたしが変えればいい。
ふわっ
体が宙に浮いた。
そのまま私たちは地面へ落ちていった――
――はずだった。
空に吸い込まれていくような感じ。
すると、私は突然強い眠気を感じて、そのまま眠りについてしまった。
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